没後22年を経てなお支持される、漫画家・山田花子の生き様

yamadahanako11

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山田花子という漫画家をご存知だろうか。わずか24歳の若さで自ら命を絶った伝説の漫画家である。熱烈なファンの間ではいまだに語り、そして読み継がれている彼女だが、そんな彼女の遺した日記を元に編集した作品が「自殺直前日記改」(鉄人社)だ。様々な逸話が伝えられる山田花子の素顔はどのようなものだったのだろうか。「自殺直前日記改」の編集を務めた「Quick Japan」元編集長、赤田祐一氏に話を聞いた。

「山田花子と最初に出会ったのは東中野の薄暗い喫茶店でした。ベレー帽を被って、おしゃれな古着を着ていました。ただ、マンガやイラストの打合せのときはいつも下を向いていて、積極的に自分から話すタイプではありませんでしたが」

…略…

「『自分の書きたいのは日常だけど、日常にオチがあるのか?』という思いを持っていました。例えば、日記にも登場してきますが、「人間がばらばらになってしまう場面」を描きたい、と。でもそんなものをマンガに描いたらおかしいと思われる。だから「描きたいけれど描けない」と悩んでしまったんです。端から見れば考え過ぎですけど、だからこそ、こういう深みのあるマンガを描けた気もします」

 個性的な作品を生み出していた彼女だが、仕事が増えるにつれ、それを続けることは難しくなっていった。不器用が故にバイトをクビになり入院するなど、破綻した精神状態はエスカレートし、彼女の乗ったタナトスという名の船はゆっくりと死への航海へと漕ぎ出してしまったのである。だが、その根底には彼女の生真面目な性格があったと赤田氏は指摘する。

彼女はすごいメモ魔だったんです。日常の出来事や会話の全てをメモに取る。コインランドリーの使用法の順番まで全部メモしていて、それが残されています。根本敬さんによれば、パーティとかでもコソコソと書いていたそうですね。しかもそのメモは推敲されていて第3工程ぐらいまであるんです。今回本を編集するにあたり、妹さんから日記の現物を見せていただきましたが、メモをノートに転記して第2工程でまとめて、第3工程で別のノートに清書していたことを知りました。メモはマンガやエッセイのねたになっていますね」

(本文及び詳細は情報元にて)
自殺直前日記 改自殺直前日記 改
山田 花子,赤田 祐一

鉄人社
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